こんにちは、11月25~27日の東大駒場祭の際にそちらから金魚を仕入れたFALSADAです。
3日間の駒場祭も無事終了しましたので、そのレポートを送らせてもらいます。よろしければコンテンツの充実にお役立てください。
ちなみに金魚は死着0、しかも終了時まで1匹も死にませんでした!期間中弱る気配もなく、本当に元気な金魚を送っていただきありがとうございました。
・企画団体
東京大学ハンググライディングチームFALSADA。普段は空を飛んでます。興味のある方はぜひHPをのぞいてみてください。
・お店の名前
「空飛ぶ金魚やさん」。飛ぶのは金魚やのほうです(笑)
・動機
ある日のサークル掲示板で、学祭で何を出店するかがテーマになりました。
学祭責任者が資料として、ポピュラーな出し物(たこやきとか)の原価一覧に、完全に冗談のつもりで金魚の単価を添えて書き込んだところ、なぜか金魚のほうにツッコミが集中。わたあめとかヤキソバとかまっとうな(?)案も出ていましたが、いつのまにか書き込みが金魚ネタ一色になり、結局そのまま一番ありえないと思われた金魚すくいに決定。こうしてよくわからないままノリで?200以上もの駒場祭の出店のなかでも唯一の金魚すくい屋がうまれました。。・・・掲示板では何が起こるかわかりません。
【金魚すくい計画段階】
●予算
特に上限はありませんが、4万以内には抑えたかったです。費用はサークルの部費から出されます。
●実行する場所
駒場キャンパス、屋外、電源なし。
1号館に向かって右の道路上で、来場者が必ず一度は通るような絶好の場所を確保できました。
●実行する時間
3日間(11/25(金)~27(日))で、9時から夕方6時まで。5時にはもう真っ暗で、縁日みたいな裸電球も無いので困りました。。暗い金魚すくい屋はちょっと近づきがたかったかも(笑)
●プールの大きさ
120cm×60cm×20cm位で、容量150ℓ。仕入れた金魚500匹にはちょうどいいサイズでした。
●お客さんの予想人数
300人。
ここの体験記を参考にして、広島経済大の2日間では180人、京大の4日間では360人という結果から、3日間の駒場祭なら大体そのくらいかと予想しました。
●お客さんの予想客層(年齢)
ほとんどが学生。
小さなこどもや近所の人、お年寄りはほとんど来ず、したがって金魚を持ち帰る人もあまりいないと考えていました。この予想をもとに金魚の仕入れ量や、持ち帰らない人でもゲームとして十分楽しめるようなルールを考案。
●1人平均何匹くらいすくってもらいたいか
一匹以上。
まったくすくえないとこちらも気まずいので。
●それによる予想されるポイの号数
5号。
利益がどうとかではなく、金魚すくいを楽しんでもらうためにも、これ以外考えられませんでした。
●金魚の持ち帰りに制限をつけるか?
1回3匹まで。一袋に入る上限でもあります。
●金魚の必要数(お客の数・すくわれる数・プールの大きさから算出される数)
500匹。
500匹か700匹かで悩みましたが、金魚の館(http://www.geocities.jp/meruhen92/index.html)のメルさんにいただいたアドバイスがとっても参考になりました。京大学祭では、約360人の客足にもかかわらず持ち帰られた金魚の数はたった100匹強だったそうで、それなら状況の似ている駒場祭でもそのくらい、つまり500匹もいれば十分かと。これは実際ほぼ予想通りとなり、余計に出費がかさむことも無くたすかりました。
●持ち帰り袋の号数・枚数
2号(3匹くらいが適量)を100枚。
●他の金魚すくいと異なる工夫点
1.すくった金魚を換金可・・・小赤・出目金・ザリガニ10円/匹、ドジョウ100円/匹、「主」200円(一匹だけ入っていた、錦模様の一番大きくて目立つ姉金)、換金上限は200円まで。
これは、持ち帰れない人でも、ゲーム性を高めることで存分に楽しんでもらおうという工夫の一つです。
また詳しくは書きませんが、このしくみが金魚の生命・環境保護につながると評価され、駒場祭の企画の中でも特に環境に配慮した「エコ企画」なるものに認定されてさまざまな優遇措置を受ける事ができました。
実は最初は姉金200円、とする予定でしたが、当日に実物をみてみると「大きな小赤」との違いがあいまいだったので、結局「主」のみ200円、小赤と姉金は区別せず10円としました。実際「主」をすくえたひとは2人くらい。
2.店員と勝負可・・・90秒以内にすくう数を競い、勝利すれば景品プレゼント&掲示。
これはぷにさんのアイデアをそのまま頂戴した感じですね。
3.変り種の混入・・・小赤、出目金、姉金のほかにもドジョウ、ざりがにを入れる。
どうみてもすくえないじゃんってのが入ってたら面白いかもと思い、ちょっとした遊び心のつもりで考えました。
またカエルやカメも、という話もありましたがカエルは毒を出す恐れがあるらしく、またカメは高い(一匹700円くらい)ので却下となりました。
4.コツ、ランキング(三位まで)、日本記録(三分間で63匹)の掲示
5.ランキング一位をとれば景品(金魚ストラップなど、数百円相当)プレゼント
金魚グッズはすべてネットでそろえました。単価400円ほどのものを10個ほど。
しかし当日、ランキング一位を更新する人がほとんど出ない事がわかり、とりあえずランキング入りさえすればOKということに。
6.30匹以上すくえば豪華景品(ン万円相当!)プレゼント
メンバーの家から液晶テレビ、MD(LP対応)ウォークマン、万能ダッチオーブン(10kgもあるごつい鍋)などの寄付があり、これらは別格として扱いました。
しかし30匹は明らかに無謀ということが当日になってわかり、条件をゆるくしてランキング1位をとればOKということに。
7.“飼いはじめのコツ”プリントとカルキ抜きを持ち帰る人に渡す
金魚すくいの金魚はすぐ死ぬ、というのは多くの場合飼い始めの処置に問題がある気がします。そこで、少なくとも持ち帰った金魚をいきなり水道水にいれたりエサをガンガン与えたりして死なせないように、損得無しでこのようなサポートをすることにしました。
8.ハンググライダーに興味ある人には、パンフ、写真などを用意し詳細を説明する。
学祭というのは意外にサークルの宣伝になるようなので、金魚屋と並行してサークル説明の用意もすることにしました。
●値段設定
一回200円。
予想客足(300人)、換金ルール、必要経費(4万弱)、縁日での相場(300~500円)などを考え、これしかないということで決まりました。150円では利益が出ず、250円はちょっと高いうえにきりが悪く、300円だと学祭では高すぎて論外という感じです。
【準備段階】
●準備したもの
当たり前のものは除くと、
テント・・・運動会などでよくみられるもの。昼間はこの下で店を開き、夜はビニールシートなどでカベを作りこの中で寝泊りします。
ウェットティッシュ・・・確実にお客さんの手がぬれるので。
ノート・・・客足の記録など。
バケツ・・・瀕死の金魚の隔離用。結局ぷにさんの金魚には必要ありませんでしたが^^
金魚ふるい用ざる・・・汚れた水が入らないよう、金魚だけ水槽に移す際に。五百匹もいるので、あみですくって移していたのでは日が暮れてしまいます。
ダンボール・・・地面からの冷気をさけるために(特に夜)、常に水槽の下に敷いていました。
どじょう・・・学校近くのお店で3匹購入。ポイの3倍くらいの大きさのものもいました^^;
ザリガニ・・・駒場野公園という学校近くの公園で3匹入手。金魚を襲うかと思われましたが、動きが鈍く実はムリのようです。
電池式エアポンプ・・・店の場所に電源が無いので、釣具屋で携帯式のものを購入。意外に送風量は十分、3日間の連続稼動もまったく問題ありませんでした。
おつり・・・十円玉1000枚、五十・百円玉各100枚、五百円玉10枚、千円札20枚、二千円札5枚。換金ルールのため小銭を大量に用意しました。
●準備中に困った点
水の入った水槽の扱いが予想もしないほど厄介でした。
まず、100ℓ以上の水が入った水槽というのは腰が抜けるほど重く、しかもちゃんと力の入るつかみ場所もありません。何より一番困るのが、ちょっと揺らしただけで想像もつかない大きな波が立ち、すぐに水があふれてしまうということです。これにより遠い水汲み場から水槽を店まで運ぶのにてこずり、また開店時に水槽をテント内から店先まで引っぱり出す際も慎重に慎重を重ねました(金魚が入っているので)。
【準備段階(金魚)】
●金魚が到着してから金魚すくいまでの金魚の状況
死着0、というより駒場祭終了までに死んだ金魚は一匹もいませんでした^^
ずっと好天に恵まれたこともあってか、期間中弱ったそぶりさえみせませんでした。
【実行段階】
●天候
期間中ずっと晴れ、最高気温15度くらいのベストな状態が続いてくれました。
●金魚すくいのスタッフの数
平均4人。
盛況時でもぎりぎり何とかなるくらいの数でした。
●実行中に困った点
主に客関係(特に子供)ですが、おわんを沈めてすくったり、完全に破れたポイで金魚を引っ掛けようとしたり(見てて金魚が痛々しい)、景品が欲しいとだだをこねたり・・・対応に苦労することもありました。もっと金魚を持ち帰らせろとだだをこねるおばちゃんもいました--;
また、あるメンバーが絶対に破れない「アルティメット・ポイ」(笑)なる改造ポイを遊びでつくっていたのですが、それをどうしてもすくえない小さなこどもにこっそり渡すことがありました(見た目はごく普通のポイです)。しかし破れないだけあって事態の収拾をつけるのが難しく、使用はちょっと難しく感じました^^;
●実行中に工夫した点
意外に水は汚れるもので、3日目には明らかに白濁してきており、一部取り替えました。
また「昨日までの平均GET数 3匹」「すくえなければ50円でもう一回」などという掲示を追加し、とてもすくいやすいことをアピール。
また終了間際には1回100円として一気に客を呼び込みました。
【終了後】
●あまった金魚をどう処理したか
学校近くの観賞魚店にほとんどを引き取ってもらい、一部はサークルの部室で飼う事にしました。
【分析】
●お客さんの予想数と実際に来た数
客足:400人(予想300人)、総プレイ回数:470回
はまって何回もやってくれる人(最高9回!)、毎日来るリピーターとなってくれた人もちらほらいました。とくに日曜日は200人と大盛況で、閉店までずっと人が絶えない状態でした。
●金魚の数は適当だったか
ドンピシャでした。持ち帰られた数は500匹中160匹、予想よりちょっと多いですが何の問題もありませんでした(3日目の中盤には出目金が1匹しかいなくなってたのがさびしいですが)。
●ポイの号数・数は適当だったか
5号を800個仕入れましたが、これも適当でした。
5号はとてもすくいやすいと聞いていましたが、一プレイあたりの平均GET数は結局2匹程度で、換金額も全然膨らまずに済みました。個数は店員の練習&コツ実演などのためにかなり余裕をもって800としましたが、結局余ったのは100個程度、ちょうどよかったと思います。
●持ち帰り袋の号数・枚数は適当だったか
2号を100枚、適当でした。
あまったのは20枚程度。
●プールの大きさは適当だったか
500匹に対し120×60で適当でした。
●金魚すくいをおこなった場所は適当だったか
誰もが一度は通る場所ということで立地条件は文句なし、金魚のコンディション的にも問題なかったと思います。
●スタッフの数は適当だったか
常に3,4人はおり、適当でした。
●売り上げ
約79000円(予想6万弱)。
※実際にかかった金額(約38000円)。
●お客さんの反応
すくった数に応じて換金、という生き物を対象にしたギャンブルにも見えるルールがどう受け取られるか、一抹の不安がありましたが実際は素直にウケてくれました。「生まれて初めてすくえた!」という方も意外なほど多く、楽しんでいってもらえたようです。
しかし、金魚すくいという行為・商売そのものに対して「金魚がかわいそうだ」という言葉を残していく人もいました。これは完全に主観の問題なので、そう言われてもどうしようもないことです。
●自身の感想
期間中毎日数匹は死んでいくものだと聞いていたので、死亡0というのがとても驚きです。今では正直「金魚すくいの金魚って死ぬものなの?」という感じです。
あと気づいたことを並べていくと、
○外国の方が確実に興味を示す・・・とても異国情緒あふれる遊びなのでしょう。日本語のまったく通じない人々も遊んでいってくれました^^
○男より女の方がうまくすくえる傾向がある・・・女性のほうが手つきがやわらか、金魚も比較的無抵抗にすくわれてる感じがします。野郎がムキになると、金魚も殺気を感じるのか必死で逃げていくように見えます(笑)カレシはすぐやぶれてしまうのに、カノジョが粘って何匹もGETという光景がしばしば見られました。
○変り種(ドジョウ、ザリガニ)が人気・・・とても目立ってくれ、客寄せの効果は十分にありました。中には「どじょう超欲しい!!」とかいってプレイし、ほんとにすくって持ち帰った人もいました。意外に何でもすくえるものです。ザリガニなんかは自分からポイにしがみついてきますから(笑)「どじょうすくいはいかがですか~?」とかいう呼び込みができるのも新鮮でした^^
○大学の学祭なのに、こども(小学生以下)客が相当多い・・・これは意外でした。実際来場者(のべ10万人)中のこどもの割合はかなり低いと思いますが、低くてもそのうちのほとんどが遊びにきてくれたということでしょうか。考えてみれば金魚すくいみたいにこどもに確実にウケる企画というのは他に無いので、けっこうな穴場なのかもしれません。
●次回やる場合の改善点
次があるのかは全くわかりませんが、今回の反省点としては
○終了間際に、持ち帰りの上限を取っ払うのを忘れていた。
○もっと変り種の種類を増やせば面白かったかも
くらいで、幸い目立ったミスもなく終わりました。